孤高のビジネスマンフォント「Gotham」 #LOVEFONT
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さーて、日付が変わってしまいましたがこれは実際#LOVEFONT Advent Calendar 20141日めの記事です。#LOVEFONTは三年前からやってるのに今回もたくさん参加してくれて嬉しいです!★
そして(遅刻ですが)最初を飾るのは、おそらく好きな人もかなり多いはず、Gothamです。
#LOVEFONTとは?
毎年行っている#LOVEFONTですが、これは別にアドベントカレンダーのための記事ネタというわけではなく、好きなときにこのハッシュタグをつけて何か特定のフォントに対する愛を語って頂こうというものです。一応私の記事や、まとめをいつものように貼っておきます。
- [フォント] #LOVEFONT まとめました。継続募集します! – WEBCRE8.jp
- ゴージャスで美味しいフォント「Copperplate Gothic」 #LOVEFONT – WEBCRE8.jp
- #LOVEFONT Advent Calendar 2013 – Adventar
- 都会的なインテリ紳士フォント「Bank Gothic」 #LOVEFONT – WEBCRE8.jp
アドベントカレンダー関係なく、フォント好きな人は書いてみてください★
Gothamというフォント
Gothamは、デザイナーには非常に人気のあるフォントです。そしてGothamと聞いてオバマ大統領のサイトを思い浮かべる人も多いのではないでしょーか。
現在はGothamは使われていないようで、あのインパクトのあった力強い文字と青のイメージはサイトからはなくなりましたね。変わりに使われているのはWhitney。Gothamと同じ会社の作品です。
Gothamの成り立ち
Category | Sans-serif |
---|---|
Classification | Geometric sans-serif |
Designer(s) | Tobias Frere-Jones |
Foundry | Hoefler & Frere-Jones |
Date released | 2000 |
Gotham (typeface) – Wikipedia, the free encyclopedia
例によってWikipediaのデータを参照していますが、表にある現在このフォントを制作したHoefler & Frere-JonesはパートナーのTobias Frere-Jones(Gotham自体の作者)が今年抜け、Hoefler & Co.という名前に変わっているそうです。
GothamがWebフォントとして使える! Hoefler & Co.のWebフォントサービスCloud.typographyがついに開始 – フォントブログ
GothamはHoefler & Frere-Jonesが2000年に、アメリカのメンズファッション誌GQに依頼されて制作したフォントです。
GQにMasculine, new, and fresh
(力強く新鮮な文字を)と依頼されたTobias Frere-Jonesはニューヨークの街を歩き回り、戦後の建物に描かれた手書きの幾何学的なレタリング文字から着想を得てこのフォントを作ったそうです。
Gotham Fonts: History | Hoefler & Co.
この辺の話しをデザイナーであるTobias Frere-Jones自身が語った動画を見つけたのですが、私はあんまり英語がわからないのでわかる人はどうぞw
その後、GQの独占使用権が切れた2002年にGothamは一般的なフォントとして公開され、多くのブランドやロゴ、ポスター建物の看板などに使われています。
Gothamの特徴
ではいつものように特徴を一つ一つ拾っていきましょう。
ジオメトリックでサンセリフ
Gothamはジオメトリックなサンセリフフォントです。同じジャンルに含まれるのはFutura、去年のアドベントカレンダーでも紹介したBank Gothicなどですね。前に書いたかもしれませんが私自身が基本的にこのタイプのフォントが好きなんですよねー!
ウェイトとファミリーが充実
Gothamと聞いて非常に細いウェイトと太いものを思い浮かべる人、両方がいるのではないかなと思います。
Gothamらしい力強さを持っているのはやはり太いウェイトの方ですが、一番細いThinを使ってもどっしりとした安定感を持ったままなので、雰囲気を保ったままでバラエティーを出しやすいと思います。
ちなみにNarrowとかExpandedといったファミリーも豊富です。ファミリー単位でしか売ってないのでちょっと勇気がいりますが…。
自然な幾何学造形の安定感
他のジオメトリックに比べて、自然な安定感があるように思います。例えば前述のBank Gothicなどは文字の角のカーブがきつく、人工物の雰囲気が強いです。それはそれで私は好きなんですが。
そしてSackers Gothicのようなヒューマニスト寄りのカーブでもなく、Futuraのように鋭すぎないところもまた良いのではないかなと思います。
Gothamの使いどころ
信頼感のある雰囲気を作りたい場合に、ロゴにも本文にも使いやすいはっきりとした見た目のフォントです。ウェイトが多いので統一して使えるのもいいですね。
また、やはり文字の特徴がよく出ている大文字で組まれることが多く、そのため強いメッセージを発信するような雰囲気だったり、アメリカらしい文字ということでそういうイメージのコンテンツに特に使われる印象です。
Gothamを使ったアートワーク
Home – One World Trade CenterはWebサイトのフォントにGothamのWebフォントを使っています。
GOTHAM LOGOSは、Gothamを使ったロゴを集めたTumblrページ。他にもこの記事を書くにあたって資料として読ませて頂いたidsgn (a design blog)のKnow your type: Gothamという記事にはいくつかアートワークが紹介されています。
映画のロゴにはよく使われているようで、インセプションはGothamです。
Gothamを手に入れるには
Gothamはバンドルされているソフトウェアなどがないので購入するしかない上に、書体単品の販売がないです。多分。
以下のリンクからファミリーごとに購入できます。
Download Gotham Fonts | Hoefler & Co.
類似フォントを検討する
前述の記事で紹介されていたGothamのWebフォントは販売型ではなく期間契約タイプみたいですし、Gothmaはファミリー一式を購入する形なので買うのもなかなかの値段です。Web用の利用は別売りのようですしね…。
予算がない場合は、似たフォントを代替として使うのも手です。例えばProxima Novaというフォントは既に有名ですね!Gothamに似た雰囲気を持っていて、実際に当のGQのUK版サイトでも使われています。
更に日本版であるGQ JAPANではGoogle fontsのRalewayを使っています。Gothamより気取ってる感じがありますね。
他にもGoogle FontsにはMontserratなど、ちょっとかわいくなっちゃってますけど近い雰囲気のフォントがあります★
どうでもいいですがGQのこうした(洒落っ気とかそういうの)フォントの変化を現代のビジネスマンのあり方に重ねると面白かったりしませんかね。そういう深読みもまた楽しいです!
おわりに
今回は調べていてなかなか面白い話しが見つけられたので結構有益だったなと思います。正直なところ、私は「あ、Gothamだ!」という感じではなくGotham系の形状のフォントが全体的に好きみたいなので、このフォントでなくてはというほどこだわりがあるわけではないんですが…。似たフォントも見比べてみると全く同じというわけではないので、やっぱりGothamはGothamだなと感じました。
さて、今日は既に12月2日です。アドベントカレンダー2日目の担当は…私ですね。急いで2記事めを書きますw
ただこの記事ちょっとボリュームが出過ぎたので次の記事は軽めにしますね…。このまま引き継がれるとこれから書く人がキツそうですしね…という言い訳をしておきますw
あと、このカレンダーまだ今週の木曜と金曜に書く人がいません。誰か書きませんかー!!