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[web制作・デザイン]掃除機のイデア

この記事は約6分ぐらいで読めます

掃除機のイデアなど、存在しない…
ものを作ったとき、それがその形になった理由と言うものがありますよね。それは全て必然だったのでしょうか。webcre8によるデザインまたは制作についての考察です。

人の持つ「○○とはこういうものだ」と言う認識は、その色々なパターンの○○を見た時に感じた「それらに共通していると思われる特徴」から形作られます。つまり、決して元からあるものではありません。

掃除機というものの持っていた共通性

皆さんは部屋の掃除に何を使うでしょうか。ホウキとチリトリ?あの粘着テープのコロコロするヤツですか?w

掃除機は、ご家庭に必ず一台はあるというくらいの生活必需品ですよね。昔は掃除機と言えば本体からチューブが伸び、その先に付け替え可能なノズルがついており、そしてボタンを押せば黄色と赤のテープが出てくるまで引っ張り出していたコードがするすると収まっていく、という、まあ大体どの会社から出ているものもそんな感じでした。

伝統と言う名の思考停止

伝統と言う名の思考停止

平成世代の方達がどう認識しているかは分かりませんが、あれから掃除機も進化して、コードレスだったり、紙パックを必要としなかったり、はたまたルンバのように自分で部屋を掃除して周ったり。ちょっと前じゃ考えられませんでしたよね。

このままでいいのかと言う意識からものが変わる

これは恐らく、それまで制作者が今の形に対し「○○ってこういうもの」「技術やコストパフォーマンス的に今のままが一番いい」と考えており、ユーザにも「○○ってこういうもの」という認識が行き渡っていた状態だったのではないかなと思います。そしてそれを打ち破るような全く新しい考え方の品物が出てきたことによって、ユーザからは「もっといいものがあるんじゃないの」、制作者からも「こうしたほうが他社より売れるかも知れない」という風になっていったんじゃないかなーと思う訳です。

挑戦の中のごく一部のものは革新と呼ばれる

挑戦の中のごく一部のものは革新と呼ばれる

掃除機の例が適当かは分かりません(ストーリー、例として分かりやすいかなと)が、やはりものに対するイメージが利用者、制作者双方で固定してしまったとき、そのものは一度進化を止めるのだと思うんです。

もちろん「これ以上便利になってどうするの?」とそう言う域にまで達しているものもあります。至れり尽くせりのプロダクトに甘えてしまい、古き良き文化が消え去ってしまうパターンもあるでしょう。

ですが…ものは一つデザインが決まってしまうとそれが色んな人に利用され続けてしまいます。主な購買層に向けてデザインを特化させるのは商売のセオリーだと思います。でも作り手が「これで良いのか?」と言う思考を止めていなければ、その商品は本来更に広く使われていくものだったかもしれないのです。

web制作の場合

ここでプロダクトデザインの話から離れて、web制作の世界に戻ってきましょう。WEBCRE8.jpでは以前の記事、[web制作]「このサイトについて」を設置しよう ― 情報の伝え方に出る「伝えること」に対する姿勢デザインが苦手な人も分かる「デザインは全て意味がある」6つの要素ではユーザの当然そうであると言う期待を裏切ることの危険性を述べていますが、例えばもしそれが実は非常に効率の悪い、慣れさせられた結果の既成概念であるとしたら…それは(ユーザが思いつけもしない為に)言葉にはならないとしても、潜在的には改善が待たれているはずです。

ブログの文章や独自のサービスなどユニークなもので勝負している場合を置いておいたとして、ニュースや競合の多いサービス、ECやツールの提供者は恐らくそういったところで激しい戦いを繰り広げている筈です。大きな話で言えば、携帯電話のキャリア課金の仕組みは「webで利用者がお金を払うのは面倒くさい」という認識を打ち破っているシステムだと言えます。

webデザインの場合

ユーザビリティ、アクセシビリティの改善、配置や配色の変更、全体のリニューアル。「企業サイトってこういうものだから」「ケータイサイトは容量も少ないし、ダサくて当然」と言うような認識を打ち破ってきた最初の人たちが誰なのかは分かりません。ただもしかすると、メリットデメリットの勘定を超えてしまうような大きな問題意識が彼らにはときとしてあったのかも知れません。

webサイトのエレメント一つとっても「ラジオボタンなんだからクリック範囲は小さくて当たり前」「文字は小さい方がクール」と言ったそれがそれであるためには仕方がなさそうだったことがありますよね。

これは比べてみることのできるそうでないものが存在することではっきりとした問題として見えてきたりします。スマートフォンのボタンのタッチのしやすさに慣れてから、初めて普通のラジオボタンのクリック範囲が小さいことに気付いた人もいるのではないでしょうか。

まとめ

掃除機のイデアなど、存在しない…

掃除機のイデアなど、存在しない…


掃除機というものをノズルのあってコードの絡まる重たい機械だと思わず部屋をキレイにするものだという本質を捉えて見直せば、全く新しい使いやすいものが生み出せるはず。デザインでも、他のものでも同じようにそれが言えるのでは?と今回はそう言う話でした。

まあ「作りかけのベータ状態でデザインの作り込みが停まっているブログに言われたくねーよ」と言われればそれまでなのですが…(出来れば6月までその言葉は口に含んでいて頂けると幸いですw)。

参考

洞窟の比喩 – Wikipedia