[フォント・デザイン]水平・垂直・傾斜・円弧・不規則
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五つの線
水平な線、垂直な線。傾斜した線、円弧、不規則な線。世の中にある全てのものの形状・輪郭は見た目上こうした特徴を持っています。水平なものより垂直なものに強い特徴…それはなんでしょうか。
これだけでは分かりにくいですね。
それでは、これらの線が「地面(基準線)に対してどうか」ということであるとどうでしょうか?
水平は安定、不規則は不安定
答えはこれ。私としては図形の形は基準となる線に対して平行なものが一番安定しており、それに対して垂直なもの、傾斜しているもの、円を描いているもの、規則性のないものの順にドンドン不安定になっていくと思います。
「なんだ、そんな事か」と思われるかもしれないですが、ものの形が人に与える印象って、細かく分解して行くとこういう風に説明できるんです。
人は規則的なものを見ると安心する
単純な話、四角いものの上には四角いものを置くのが一番安定しますよね。三角形や六角形と違って、置き方を工夫しなくても延々と敷き詰めることができます。webデザインにおいてもエレメントは普通四角形で考えます。
ものが整列して配置されることが調和に繋がり、安心してものを見ることができるんですね。
規則的なものは自然ではない
ただし、誰もが規則的なものを求めるかというとそうではないですよね。堅苦しい感じが嫌い!そう感じる場合もあるわけで。それに、安心、安定ばかりがいいわけでもないです。なんだか不安にさせる、そういう感情が作品に感情移入させたり、興味を持たせたりもするんですねー。用途や目的によって、選ぶ形状は違うわけです。
こういう事を考えてフォントを見ると面白いですよ!
実はこれ、いくつかのフォントを見ながら考えてた話なんですね。我々デザイナーは文字をじっくり見て論理的にデザインを分析したり作る事が出来ますが、普通の人はそこまで考えません。でもそういう人でも、ある作品や会社のロゴやタイポグラフィーの使われたポスターを見て、「ワクワクする」「素人っぽい、つまんなそう」「信頼できそう」と感じることが確かにあるわけです。
もちろん配色だったり、フォントにかかったテクスチャだったり、使われているタレントだったり、宣伝している媒体だったり…印象を左右する要素はほかにいくらでもありますけどね。実際は漠然と人に与える印象ですら、そういった細かい複数の要素から形作られているという話しです。
あなたがぱっと見で選んだそのフォント、なぜ選んだのかちょっとじっくり見直してみませんか?