[レビュー]スマートフォンデザインでラクするために ― スマートフォンサイト制作に必要な思考を整える本
この記事は約6分ぐらいで読めます
スマートフォンデザインでラクするために
先日高円寺のコワーキングスペースこけむさズの運営者、イシジマミキさんから著書であるスマートフォンデザインでラクするためにを頂きました。
技術評論社
売り上げランキング: 19,224
本を読むのは遅いと伝えてはいたのですが、レビューするのがこんなに遅くなってしまってすみません…。気になってはいたけど買うのは迷っていたという人に本書の見どころを解説したいと思います!
スマートフォンデザインでラクするために:内容
この本の目次を紹介します。
- 第1章 案件の前提条件
- 第2章 作る前に8割が決まる
- 第3章 デザイン前の下準備
- 第4章 理由を考えたデザイン
- 第5章 モジュールの作り方
- 第6章 最適なソフトはどれ?
- 第7章 スマートフォンならではのデザイン
- 第8章 タブレットならではのデザイン
といった内容です。前評判で聞いていたのですが、この本は表紙に画面に向かうな。
とある通り、前半はテクニックや技術的な話ではなく、スマートフォンサイトを制作するにあたってコンテンツやデザインをどういうものと考えるのかを解説しています。
第2章のタイトル「作る前に8割が決まる」とある通り、ユーザーの使用感は最初の設計の時点で決まってきてしまうもので、この時点でそれが想像できていないと、後々大幅な作り直し、または仕方ないなら一旦完成させよう、というような展開になりかねません。
そうしたことを踏まえた上で、技術やツール選び、ビジュアルデザインの検討が、正しいレールの上で出来るという訳です。
第3章ではコンテンツの優先順位や階層について、4,5章ではユーザーインターフェイスについての話題に入ります。ここまではスマートフォンフェイスに限らない依頼者との情報のやり取りや前提知識の話でしたが、直接的なノウハウになってきます。
6章でツールの使い方、そして7、8章からは実際の実装のしかたの話になっていきます。
スマートフォンデザインでラクするために:感想
本の内容的には前述の通りテクニック的な事より考え方を重視しています。今までスマートフォンサイトを制作したことがなかった人は、単純に画面が小さくなっただけと考えて制作を始めてしまうかもしれません。この本の前半の解説は、そういった考え方を再構築するような内容になっています。
技術的な情報というのは断片的にはいくらでもwebで調べることが出来るわけですが、そのパーツパーツを正しく使いこなせるかは、スマートフォンサイト制作において何が必要かが制作者の中で定まっている必要があるわけですね。
「ラクをするために」というより「ムダを避けるために」という感じかもしれません。
途中で差し挟まれるコラムも、制作以外の事であったり、イシジマさんの体験談等が入っていてリアルな感じです。
スマートフォンデザインでラクするために:対象
本書は実際にスマートフォンサイト制作を何件かこなしてみて、「この考え方でいいのか」等と仕事の進め方を迷っている人に最適なのではないかと思いました。
また、スマートフォン制作について全く手をつける前の人にも、前提知識として読んでおくのは良いのではないかと思います。これ一冊で作れる!という訳ではないですが、こうしたことを考え方として備えておけば、今後の知識の付け方の参考になるのではないかと思います。
終わりに
内容には関係ないんですけど本の装丁デザインすっごく良いですよねー★
こういうのを見るとやっぱり電子書籍よりも本の方がいいなーと思う訳です。リーダーにたくさんの本が入れられるといっても、そんなに読めませんしね…。
今回はせっかく頂いたのになかなか本を読む時間を作れなくて申し訳なかった感じですが…私自身すぐに画面に向かってしまうタイプでもあるので、ワンクッション置いて本を読んだりしてから制作に役立てるというのは必要だなーと感じてます。
この書評を持ってお礼とさせていただきます。近々こけむさズの方にもコワーキングスペースとして利用しに行かせてください!
Twitterでちょうどこの本について話をしたので、@shokutoさんのこの記事も紹介させて頂きます★ 合わせてどうぞ。