これ1本で様々なシーンに対応出来る欧文フォント集「改訂6版 TrueTypeフォント パーフェクトコレクション」の収録フォント・利用条件解説
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改訂6版 TrueTypeフォントパーフェクトコレクション
2013年3月、Impress Japanから改訂6版 TrueTypeフォントパーフェクトコレクションが発売されました。
インプレスジャパン
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これは以前ゴージャスで美味しいフォント「Copperplate Gothic」 #LOVEFONTの記事でCopperplate Gothicを手に入れられるセットとして紹介した、改訂5版 TrueTypeフォントパーフェクトコレクションの改訂新版です。
内容は米Bitstream社から発売されている定番欧文書体を中心に500フォントを収録したフォント集で、全てのフォントをwebでの制作や印刷、プロダクト等に使う事が出来ます。
第5版との違いはWindows 8とMac OS 10.8についての記述が追加されたことと表紙のデザインのみです。収録フォントに違いはないので、5版を持っていれば買う必要はありません。
TrueTypeフォントパーフェクトコレクションに収録されている主なフォント
改訂6版 TrueTypeフォントパーフェクトコレクション
私の好きなCopperplate Gothicをはじめとして、Futura、Bodoni等の定番フォントファミリー、Helveticaの代替フォントであるSwiss 721やUniversの代替フォントZurich等の、有名フォントの代替となるフォントファミリー等が収録されています。
定番フォントファミリー
定番だと思われるフォント
収録フォントのうち定番、よく見るなと思うフォントは
- Baskerville
- Bodoni
- Caslon
- Cooper Black
- Copperplate Gothic
- Franklin Gothic
- Futura
といったフォントです。まあ、持っていない人はCopperplate GothicとFuturaだけでも買う価値があるんじゃないでしょうか。
定番フォントファミリーの代替
よく使われるフォントの代替となるフォント
次に、有名フォントと名前は違いますけど形状は殆ど同じ、クローンフォント。カッコ内はその元になったフォントです。
- Aldine 721(Plantin)
- Dutch 801(Times Roman)
- Exotic 350(Peignot)
- Humanist 521(Gill Sans)
- Humanist 777(Frutiger)
- Square 721(Eurostile)
- Swiss 721(Helvetica)
- Zurich(Univers)
Helveticaの代替フォントSwiss 721等が収録されており、これと前述のフォントがファミリーで使えるだけでも全然アリです。
私のオススメフォントファミリー
webcre8が気になったフォント
そして私が買いだと思うフォントをいくつか挙げてみます。あ、Copperplate Gothic以外に、ですねｗ
- Geometric Slabserif 703(Memphis)
- Lusian
- Square Slabserif(City)
- Stymie
- Bank Gothic
- Chianti
- Geometric 231(Cable)
- Lydian
- Bernhard Fashion
- Calligraphic 421(Codex)
- Cloister Black
- Dabida
- Parisian
- Thunderbird
- Tango
ちょっと多いですかね…厳選してこれらのフォントがいい感じでした。
先日書いた記事[フォント]文字デザインの分類(欧文編)でも紹介したように欧文フォントはいくつかの分類で分けられますが、その中で言えばこのセットは特にスラブ・セリフのフォントが充実しているように感じました。
欧文のディスプレイフォントは文字数も少ないためかたくさん生み出されている半面、使うシチュエーションも限られます。何かの時の為に種類を持っていて悪いことはありませんよね。
TrueTypeフォントパーフェクトコレクションを使う上での留意点
ではこうしたフォントセットを買う上での留意点を挙げていきます。
どんな環境の人が購入すべきか
まず、購入をオススメしたいのは当然Copperplate GothicやHelvetica、Futura等の書体を持っていない人です。
このうち、以下のリストを参考にすれば、Mac(Mac OS 10.8 Mountain Lion)にはFutura、Helvetica、Copperplate Gothicファミリーのいくつかのフォントがバンドルされています。
そしてWindows 8には(恐らくその前のバージョンも)、上記の通り私が重視しているフォントは全くバンドルされていません。まあ、Windowsには(Helveticaの代替として)Arialがあるし、Copperplate GothicはOfficeにバンドルされていますが…OSならともかく、ソフトウェアにバンドルされているフォントをそれ以外のソフトウェアで使っていいのか？という問題があります(良いとするかどうかは企業によりまちまちです)。
つまり、Windowsユーザーなら問答無用で買い、Macユーザーならフォントファミリーを全て使いたい場合は買いだという事になると思います。MacのFuturaであっても、これが3フォントしかない言わば廉価版であると考えれば、普通に買えば20000円以上するFuturaが手に入るのはありがたいことだと思います★
もちろん、それ以外のSquare 721(Eurostile)や、私のオススメしたいスラブフォント等を使いたいのであればまた購入の価値があります。3000円という値段は所詮1フォント程度の価格ですから、おまけがついてくると考えればやはり安いものですよね。
利用条件に関する記述
改訂6版 TrueTypeフォントパーフェクトコレクションの巻末にはQ&Aが載っています。これによれば利用できる範囲は
- 詳しい使用許諾範囲が知りたい。
本書の付属CD-ROMに収録したフォントは、印刷物やWebサイト上の画像など、視覚的に表示されるものの作成であれば、個人利用、商用利用を問わず利用可能です(後略)。
以下の使用例は本書制作時にビットストリーム社へ確認した結果です。これに当てはまらない製品の使用や、より詳しい使用条件については、ビットストリーム社へ直接問い合わせてください。
- 書籍、雑誌などの印刷物およびPDFへの埋め込み
- Webやゲーム、アプリなどデジタルコンテンツに使用する画像データ内の文字
- 映画やテレビ番組、DVDなどの映像作品内の字幕、テロップ
- 衣服やインテリア、家電、スタンプなどの工業製品の文字
上記の場合は使ってよい
- Webフォントとして使用するなど、フォントファイルを公開サーバーへアップロードする行為
- EPUB形式の電子書籍などフォントファイルを同梱する必要のある製品
- フォントファイル自体の組み込みが必要なゲームやアプリ、OS等のプログラム
- 改変の有無にかかわらず、文字デザインを含む成果物の商標登録および意匠登録
上記の場合は問い合わせが必要
となっています。これだけはっきり書かれていれば何の心配もせずにフォントが使えますね。こうした安心の為に3000円を払う、というのはまあ安いものだと思いますねー。
終わりに
というわけで、今回は改訂6版 TrueTypeフォントパーフェクトコレクションを紹介しました。
デザイナーであっても、フォントやタイポグラフィーに苦手意識を持っている人も多いのではないかなと思います。500書体って多そうで多くないので、試しにこのセットから好きなフォントをいくつか選んだりして、フォントそれぞれの良さを再発見してみてはどうでしょうか。そして、特に好きなフォントが出来たら#LOVEFONTの記事を書いてみるのはいかがでしょうか？
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