[レビュー]Web制作者のためのSassの教科書 — 一から覚えるところからSassのトピックを網羅した本
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Web制作者のためのSassの教科書
Web制作者のためのSassの教科書 これからのWebデザインの現場で必須のCSSメタ言語が先日発売されたのでレビューさせて頂こうと思います!
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CSSメタ言語、またはCSSプリプロセッサーと呼ばれるものは、ここ数年で注目されてきているCSSを管理しやすい形で記述するための技術です。
この本はそうしたCSSメタ言語の中でもSassというものに焦点を当てて解説した書籍です。この本一冊でSassの基礎から応用、CSSメタ言語を取り巻く制作環境などについて学ぶことができます。
本を書いたのは私の尊敬する二人のWeb制作者、ひらさん(@hira)さんとそうさん(@sou_lab)です。そして実は私もこの本の校正作業に加わらせてもらっていたので、リリースされて喜びもひとしおです★
そして既にお二人自身の記事の他何人かの手でしっかりとしたレビューが書かれてるんですけど、私はSass初心者のデザイナーとしての視点で書くとしますね。
Web制作者のためのSassの教科書の内容
本書はざっくり、Sassというもの自体の解説、環境の用意、機能や使い方の解説、コーディング例、関連ツールの使い方、Tipsやリファレンスといった内容になっており、Sassに関する情報はひと通り書かれています。まさに入門するに相応しい本ですね。
実際、今の所はまだSassについての書籍というものは他では電子書籍でしか刊行されていないらしく、本として携行するならこれ!という感じだと思います。多分電子書籍も出るんだと思いますけど。
不安の解消
私のようにデザイナーとしての仕事の延長上でコーディングをする人にとっては、CSS、そしてJavaScriptのライブラリを操るくらいが限界で、コンパイル等の作業や黒い画面の作業なんかがこうした技術を活用する際の障壁だと思います。
本書にはこうした利用時の疑問や不安を解消してくれるようなセクションが設けられていたり、実際の操作をスクリーンショット(Win / Mac対応)やサンプルコード等を掲載したテストサイト等を用意してくれています。読み進めながら実際に作業してみることで苦手意識を取り払うことが出来ると思います。
GUIツールの日本語パッチを作るほどの気合
すごいなーと思ったのは本を書く前に、このコマンドラインでの作業に不慣れな(そして同時に英語のツールの利用に抵抗があるであろう)人のために、便利なGUIツールKoalaの日本語対応パッチを著者のそうさんが作った、という話です。こうしたことからも著者らが徹底してSassを使うことへの抵抗をなくすことに重きを置いていることがわかりますね!
本の中でももちろんKoalaに関する解説がされていますが、そうさんのブログにもその記事はあるので、Webではこちらを参考にするといいでしょう。
http://blog.sou-lab.com/koala/
Koalaはマルチプラットフォームで、他にもLessやCoffeeScript等に対応しています。
Sassの機能の解説
3~4章ではSassでどんなことが出来るか、機能を解説してくれています。本当に色んな事ができるので一気読みで把握するのは大変だと感じましたけど、ぼんやりとでもどういうことが出来るか通して読んでおけばあとで詰まったときに解決出来そうかどうか判断しやすいですよね。
私も通して読みましたけど、このへんは無理に頭に詰め込まず、実際に書きながら覚えていくと良さそうですね。
本を読み終えて
私は前述の通り、デザイナーからコーディングに入ってきていて、バックボーン的にCUIを使った作業なんかは苦手意識が強いのですが、本書に限らず一回言われるがままにやってみるということでとりあえず使いこなしきれないものという認識を取り除きやすいかもしれません。
校正という作業を担ったため他の人より先に本の内容に触れ、ある程度のフィードバックも返すことが出来ました。この本を読む、特に私やそれ以下の知識の人がSassを理解することに多少なりとも貢献できていると嬉しいなーと思います★
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SassをはじめとしたCSSメタ言語はこれからフロントエンド技術の中でもますます重要な技術となっていくと思いますし、特にチームや職場単位で使うことが多いと考えられるこれらの技術をマスターすることが、仮に一人であったとしても効率的なCSSを書く、という面においても重要なヒントになり得ると思います。
私も今後どんどん自身の制作に採り入れていきたいと思います。皆さんも書店で、この目立つビビッドな表紙を見かけたら手にとってみてください。
最後に作者二人の記事も紹介しておきます★