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WEBCRE8.jpによるweb制作やデザインについての考察を
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[webサービス]辞めやすいサービスは始めやすい

この記事は約7分ぐらいで読めます

ログイン後に選べるTwilogのデータのダウンロード
  • Googleグループの機能が減ってショックを受けた
  • 有用なサービスは便利さと依存(失う事がイコール損失)を生む
  • 損失を軽減させる措置が間口を広げる

今回はwebcre8が普段のwebと密着した生活を送っている中でwebサービスについて感じた事を。たまにはこういうのもいいですよね。

と言ってもタイトルで言いたいことはほぼ終わってますw以下だらだらと体験談や考察です。

Googleグループと言うサービスがありまして

ちょっと前までwebcre8はGoogleグループというサービスを使っていました。

Google グループ

グループには「ページ」「ファイル」「ディスカッション」という3つの機能がありました。

ざっくり説明すると

ページはテキストをクラウド上に保存しておき、許可した閲覧者がそれを読んだり編集したりできる。wikiみたいなモノですね。しかもページはちゃんとページ同士リンクさせあったり、視覚的な階層を作ることもできました。

ファイルはそこにいろんな形式のファイルをアップロードしておけるサービスです。でも殆ど使った記憶がないので、多分アップロードできる形式が限られてたんじゃないかな…(記憶があいまいですがあんまりこれは気にしなくていいです)。

ディスカッションはここの中で会話が出来るシステムですね。

…別に他にもそんなサービスあるじゃんってツッコミもあるかと思いますが、仲間内でファイルや意見のやりとりをする場合、グループのトップで3つの機能全てのアクティビティが確認できるし、Gmailにも連動させたり、なかなか使えるやつだったのです。気に入ってました。

突然のサービス仕様変更

がしかし、1年ほど前ですかね。Googleはこのグループというサービスのうち、ファイル、続いてページを終了させてしまったのです。

この中でwebcre8が一番使っていたサービスはページでした。あそこに溜めていたスニペットは?たくさんのアイディアは?とかなりショックを受けたのを覚えています。

しかしさすがそこはGoogle様。ちゃんと「終了する日までは新たにページの追加はできませんが閲覧は出来ます」「必要であれば近いうちにダウンロードできるようにします」とのこと。まあ新しいサービス探すのはめんどいし、やりたい事が分散するのも手間だけど、Googleはファイルに関してはGoogleドキュメント使ってね、と代替案も出してくれていました。

しかしなんで一番使わない(webcre8が、ですがねw)ディスカッションだけ残したのかな…そこだけは疑問だった。どうやら結構活用されてはいるみたいだけど、これこそGoogleでなくてもいいようなw

で、実際にこれからダウンロードできますよ!と連絡が来ました。よし、他のサービスにエクスポートだ!と思ったら

文字化けしてる…。

ダメだこりゃ、と当時のwebcre8は投げ出しました><

確か文字化けを直そうと文字コード変換とかも試した覚えがありますが、多分ダメだったんでしょう。壊れてると判断して、また一からやり直しすることにしました。ちなみに2011年9月現在は既にダウンロードもできません。

今はスニペットなんかはEvernoteに入れてます。

Google様の提供するサービスですらこんなことがあります。というより、サービスは何らかの形で提供側に運営の負担より大きい利益をもたらさなければいけないのが当然なので、どんな事業者、ましてや個人運営のwebサービスとかだと運営者にトラブルがあったりすればそれを引き継ぐものがおらず休止、または閉鎖が普通に起きてしまいますよね。

なぜそのサービスを使い始めるのか

「何かに困って」「便利そうだなと思って」「見た目が楽しそうだったから」…サービスを使い始めるときは色んなきっかけがあると思います。

サービスへの依存が生む問題

この前窓の杜撤退!mixiというソフトを見つけてしまいましたw 名前は切ないですけど、データをバックアップ出来るのは便利ですよね。 まあ、必要な人もいるかも知れないなと思ってツイッターにリンクを流してみたらすぐさま何人かにお気に入りされてましたw やっぱり蓄積させたデータを失ってしまうのは皆嫌なんだなと感じました。

窓の杜 – 【REVIEW】mixiの日記やメッセージなどをさまざまな形式でバックアップできる「撤退!mixi」

皆さんも最初は「おっ、これは今私が困っている問題を解決してくれるかもしれない」そんな感じでwebサービスを利用してみることでしょう。

そして時が経ち、残念ながらそのサービスが閉鎖されたりしたとき。特に利用者が何らかしらのデータを保存するサービスの場合…それは今まで便利に使っていたモノがなくなると言う事以上に積み重ねたデータがなくなってしまうという換えの利かない損失が生まれてくるわけです。

そんなとき、蓄積したデータをテキスト形式なり、zipファイルでなり持ち出しが出来れば、すごくありがたいですよね。データを持ち出しやすいっていうのはちょっと辞めたいって気持ちですぐに辞められてしまうという運営者側にとってのデメリットも確かにありますが、気に入らなかったらすぐに辞められるからちょっと初めてみようというメリットも同時に生まれます。と言うより、恐らくはこちらの方が大きい。

ログイン後に選べるTwilogのデータのダウンロード

ログイン後に選べるTwilogのデータのダウンロード

例えば有名なTwitter関連サービス、@roprossさんのツイログは全ツイートをCSVやXML形式で保存できたり、テキストをHTMLにしてコピーしたり、そう言った機能が充実しています。というよりこのサービス自体がツイッターのデータを持ち出すサービスですね。

Twilog – Twitterのつぶやきをブログ形式で保存

損失を担保する

「効果を実感できなければ全額返金します」という文言、よく聞きますよね。つまりこれは返金のリスクをしょってでもとりあえず使ってもらう事に意義がある、と言う事です。…あ、勿論この場合は使ってもらう事で提供側に利益が上がるので「効果を実感できなければ~という約束によってその商品の性能の信頼度を高める」とか「一回使わせてしまえば難癖付けて返金しない」とかそういうカラクリのもあるのでちょっと例としては微妙かも知れないですけどw

他には携帯電話のMNP等もそうですね。利用者のハードルを下げるためにあえていつでも辞めていいですよ、だから契約してみませんか、と言う訳ですね。まあこちらも勿論辞めさせない為の手口は用意してあったりするわけですがね。

反対に、皆さんも「これはサービス(webに限らず商品などを提供する場合も含め)に自信がないからサイト(サービス)を辞めにくく作っているんじゃないか?」…使っていてそう感じたこともあるのではないでしょうか><

サービスを辞めやすく作っておく

こういったいくつもの経験や印象が、最近では新しくwebサービスを使ってみようと思ったときにここに書き込んだデータは手軽に持ち出せるだろうかと言う事を考えさせるようになってしまったんですね。

サービスを使っていて「いつなくなるかもしれない、その時どうしよう」なんて事を心配して使うのはやっぱり微妙ですよね。終わってしまうのは仕方ないとしても、そのとき仕方なしにでも他のサービスや方法に移行できるようにしておいたりするのは親切設計と言うだけでなく、一部のユーザーを「じゃあ試しに使ってみよう」という気にさせてくれるんじゃないかなーと思います。

「サービス作って流行らそうってときに辞める人の事まで考えられねーや」って気持ちもわかりますw でもまあ、「サービスに自信がある、でも始めてもらえない」「サービスの内容は競合同士ほぼ横並び、でも始めてみれば継続的に使ってもらう自信がある」と言う場合のひと押しとして、考えてみてもいいのではないでしょうか。