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[ライセンス]結局何を使っていいの?利用者視点でのよくわかる著作権!

この記事は約16分ぐらいで読めます

ライセンスって何?
webのコンテンツは使っちゃいけません!…じゃあどうやって使えばいいのか。ライセンスあれこれ、その他ネットで落とすコンテンツの使い方。

著作権、ライセンス…制作に携わる人達にとってとても重要なことですよね。でもこれが本当に面倒だし難しい。

おそらくこういったことを本当に守らないと行けないなと意識するのは、自分が自分自身の著作物の権利を守りたいと感じた時じゃないかなと思います。

何かを作ったりする前には結構「いや、別に僕が作ったものは適当でいいよ」なんて思ったりしていると思いますが、いざ作って公開してみると色んな問題が出てくるものです。その時になって考えるのは超めんどくさい。なんとか簡単に身につけられないもんでしょうかね…?

今回は2回に渡り、覚えるのが面倒でわけわかんない著作権やライセンスのことを出来る限り簡単に、説明してみます

この記事はライセンス等のことをほとんど知らない人向けに、そのあたりの情報の導入として書いたものです。厳密な知識や定義などが知りたくなった場合は以下のような、そういった専門の文章を読んでみることをお勧めします。ここではざっくりと、何をやっていいのか何をやるといけないのか、を認識してもらえればと思います

著作権についてとりあえず覚えとけって話 | さくらたんどっとびーず

Webデザイナー必読?!著作権について知っておくべき10のこと : Web Design KOJIKA17

あと、この文は噛み砕いて説明するためにwebcre8個人の解釈を多く含みます。それについてwebcre8は何ら責任を負わないことを宣言しておきます。疑わしいと思う内容に関しては上記のような記事や、しっかりライセンスや著作権の法的に効力を持つ文書を参考にしてくださいね

コンテンツの利用者側にとっての著作権

まず前編は利用者側視点の話しです。

コンテンツの利用者

「利用者」というのは、ユーザーと言うより二次発信者、つまりwebで見たりダウンロードしたものを使ったりする人のことですね。それがプログラムや素材の場合はwebやDTP等の制作者ということになりますけど、これが写真や音楽となると、webを利用する殆どの人を含むということがわかると思います。そういう意味で今回はこれらすべてを含めコンテンツの「利用者」と言います。

全ての著作物には著作権がある

webにある全ての著作物(ソースコード、文章、イラスト、絵画、写真、音楽、効果音、Flash、フォント、デザイン、スライド等)には著作権があります。まあwebになくたって一度形になったものには全て著作権が発生します。なのでまず前提として、人が作った(撮った、撮られた、書いた、描いた)ものを作った本人の承諾なしに使うことは原則的に出来ません。これはしっかり覚えてください。前提としてです

例えばGoogleの画像検索で普通に表示された画像がありますよね。これにも著作権があります。これは「誰でも使っていいからweb上にアップロードされた」というわけでは全くなく、ただ構造上どうにでも使えてしまうもの、というだけです。Google画像検索でも、実際に二次利用等を認めている画像は検索オプションで絞り込みできたりします。それをしていない人はそれを共有したいと思っていないか、単に他人に共有という考えを持ってない人(おそらくはそれが大半)なのです。それを「宣言してないから適当でいいでしょ」というのは不意打ちです。皆、著作権を意識していないだけで、主張する権利は持っているんです。

でも著作権侵害って親告罪ってやつじゃないの?

親告罪は侵害された被害者に直接被害を申し出られなければ罪にならない、とかそんなような罪です。要は見つかんなきゃOKということになるっぽいです。実際「どうしても使われたくないならwebに置かなければいい」というような、「道端に置いてるのが悪い」的な言い分がまかり通っている状態で、まあ正直なところ完璧に管理なんて出来るものではないです。

そこで考えて欲しいのは、この決まりはあくまで「訴えられなけりゃいい」ではなく「相手との関係において訴えられるほどのことではないかどうか」と言う話です。実際窃盗罪なんかは親しい間に措いてのみ、親告罪として扱われるそうです(相手が他人なら訴えられなくても捕まります)。

例えば友達に写真をもらったとしますよね。それがデータでも写真実物でも、またそれを更に共通の友人にあげたり見せたり、そういうことが普通にあると思います。文句を言う人もいると思いますけど、普通許すというか、別にどうでもいいですよね。これはあくまで共有を暗に許可してくれる事が予想される相手だからです。もちろんそれでも見せる人は見せないし、「彼女のプリクラ見せろよ」と言われて彼女の許可無く見せる人もいます。それは個人個人のモラルに委ねられるというわけです。

そして当然あなたのことを知らない、webで見つけた写真の持ち主があなたにこの写真使っていいよ、なんて思っているわけはないですよね。

引用

引用という形で、人の作った画像や文章をそのまま自分の作っているコンテンツに許可無く流用できたりします。これは曖昧でよくわかんない部分もあるのですが、要は何かを説明するために必須の場合、そしてそれ自体がメインでないときにのみ利用してもいいみたいです。イメージ画像に使うのはよくないかも知れないですね。あくまで説明の捕捉、例えば紹介している商品の写真、コメントしたい文章の原文の一部などです。これもwebに限らないことです。人の話や写真を一部伝えることはあっても、それを自分の考えや体験のように表すのはちょっと…ですよね。

引用、転載に関しては以下の記事に考察も含め説明されています。

これだけは知っておきたい、引用と転載とクリエイティブ・コモンズの事 | 清音のSEOブログ

ここまでのまとめ

webにあるものは、本人に許可されてない限りだーれも、なーんにも使えません。

ライセンスってものがあります

じゃあめっちゃ不便じゃん。どうしたらいいの。そういう状況の為に各種のライセンスというものがあります。ライセンスは宣言することによって利用者に権利の一部を使うことを許可する為のものです。

ライセンスって何?

ライセンスって何?

ライセンスは非著作権所有者に権利の一部を与えるもの

なんか言葉の印象とは逆ですよね。ライセンスを宣言されてるって、厳しい印象を受けます。でも正反対で、これはもともと厳しいものをわざわざ許可してくれてるんだと考えてください。

それと、これはあくまで著作権自体は放棄してないことに注意してください。著作権者が一部を利用可能にしているだけです。

コピーレフト

GNU 一般公衆利用許諾契約書 - GNU プロジェクト - フリーソフトウェア財団 (FSF)

GNU-GPLGNU-LGPLなどがこれにあたります。コピーライトの反対、として位置づけられたための呼び名です。コピーライトが著作権を全て持ったままなのに対し、コピーレフトは制作者の最低限の権利を守るための著作権表示以外は何も残りません

ただしGPLはもともと制作者の「これ自由に使っていいよー」→「ありがとう、出来たよー」→「作ったものも自由に使わせてくれるんだよね?お互い協力しようぜ」→「え、それはやだよ」→「Σ(゚д゚lll)ガーン」と言う苦ーい経験のもとに作られた為、最初の制作者の権利を後に続く二次利用者の権利が上回らないようになっています。

この決まりが結構リスキーな為、このライセンスを持ったプログラムはフリーソフトウェアを作る人達以外には使われない原因になってます。現在はMIT等との選択的なデュアルライセンスになっていたり(有名なところだとjQueryがそうみたいです。公開したくないソフトにjQueryを組み込む場合はMITで使うわけですね)、ライブラリ専用のGNU-LGPLが新しく用意されたりしたみたいです。

現在プログラム以外にも使われている例も多いようですが、そのへんはどうなってるのかよくわかりません。

あと、後述するCCの「表示―継承」「表示―非営利―継承」は要はコピーレフトです。

ライセンスについて – GNU プロジェクト – フリーソフトウェア財団 (FSF)

コピーレフトな著作物の使い方

ソースコードを公開でき、誰にでも利用させられ、かつ著作権をコードに記入してもいいプロジェクトに使えます。著作権に関してあなたが権限を強めることは出来ません。勿論これを使った制作物を販売することは出来ます。

クリエイティブ・コモンズ

Creative Commons

クリエイティブ・コモンズ(以下CC)はあらゆる著作物に使え、段階的に、しかもわかりやすく利用者が行使可能な権利を教えてくれるシステムです。ここでは詳しくは説明しませんので詳しくは公式サイトを参照してください。

大ざっぱに説明すると、CCは「表示」「表示―継承」「表示―改変禁止」「表示―非営利」「表示―非営利―継承」「表示―非営利―改変禁止」の6つのモードがあり、それぞれ名前の通りの性質を持っています。どれを選ぶかは提供者がどれくらい許可したいかに寄るわけですが、見ての通り全てのモードに表示とありますね。2.0の頃は表示のないモードもあったはずですけど、3.0の現在ではCCは表示が必須です。

CCはあらゆるコンテンツに適用可能で、しかもアイコンが配布されているので知っている人はどこまで使っていいかをわかりやすく確認できます。しかし必ず著作権表記が必要なため、ブログや自分自身の制作物等でない、クライアントからの依頼の制作等には(特に画像)使いにくいでしょう。音楽や効果音なども必ずサイトのどこかわかりやすいところに表記が必要です。隠したい場合や書きたくない場合は使わないべきでしょう。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは – クリエイティブ・コモンズ・ジャパン

CCの著作物の使い方

CC-表示は基本的には著作権表示さえすればOK。あとはモードによってそのまま使わなければいけなかったり(アレンジは不可)、商用には使えなかったりするので、クライアントワークには使えないことが多い。素材として使うことよりブログ記事のイメージ写真として使われるのをよく見かける。

BSDライセンス、MITライセンス

The FreeBSD Project

BSDスタイルと言われるライセンス群です。基本的にはプログラムについて使われるライセンスで、使ってなんかあっても責任持ちませんよーということと、ライセンスの条文と著作権表示を守れば何にでも使っていいという、CC-表示を除けば一番著作権放棄に近いライセンスです。

CCの継承以外にも言えることですが、この辺のライセンスは自分が利用した時、それによって出来た制作物に自分が権利を付け加えても構わないと言うメリットがあります。とりあえず使わせてもらったことだけ宣言すればあとはソース非公開にしちゃっても大丈夫だということです。

以下に邦訳の記事を記します。どうでもいいけどその邦訳分がCCで提供されててワロタww

BSDライセンス

BSDスタイルライセンスの著作物の使い方

三条項を守ればなんにでも使えるし、他に何かを強制されることも無いのでこのライセンスのものを使って何かを作るのは非常に楽です。というよりプログラムやソースに関して言うならこれより緩い制限のものは見た事無いので目的に合うものがこれで提供されてるものがあれば使いましょう。

パブリックドメイン

権利を放棄、または50年の著作権切れで誰も権利を持たず、自由に使えるようになったものです。公開した文書で権利を放棄する旨を宣言されているか、著作権フリーを謳っているサイトで確認できたものは全くの自由に使うことができるわけです。

ただこの場合も一応気にすることがあります。それは肖像権や著作人格権等です。詳しくは書きませんが、こういった決まりはサイトの利用規約などの形で書かれています。

人物写真などの場合は素材サイト等ならモデルリリースなどの形で規約の範囲内なら自由な利用が許可されてたりします。素材サイトPIXTAのヘルプでも参照してみてください。

PIXTA ストックフォトマニュアル ≫ 作品の肖像権とモデルリリース

著作人格権はまあ要は作った人がアダルトに使うなと言えば出来ませんし、後は同一性保持権とかもあって、これは改変とかはだめですよーって話です。

この辺りパブリックドメインや著作権フリー宣言時に限らず、特に素材サイトはしっかり権利の主張をしてますからしっかり確認しましょう。後々色々言われるのが嫌なら確認できる場合はこういうふうに使うが良いかと聞いておくのいいでしょうね。安全第一です。

「パブリック・ドメイン」とは何か – SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載

パブリックドメインのコンテンツの使い方

何にでも使ってよい。他の権利の主張があるなら確認しておくべき。

ライセンスが不明のコンテンツ

フリーとだけ書いてあるもの。何も書いてない場合はコンテンツの制作者に問い合わせる他ないのですけど、これは中途半端に難しいですよね。使ってもよさそうな気がします。話がそれすぎるので手短に言うと、「フリー」が「自由」と「無料」どの文脈で使われているかで変わってきます。英語にはこの2つを分けて言う様になっていないんですね。

フリーウェアとシェアウェア

「フリー」が「シェア」「リンク」「ドネイト」などと同じ扱いで書かれていた場合これは無料の意味のフリーになります。つまりタダでダウンロードできるわけですが、著作権に関しての意味は全く含んでいません。それ以外の表記がなければこれは不明、つまりただ著作権があると思われるコンテンツです。逆にシェアウェアでも購入さえすれば著作権フリーのものはあったりします。

フリーソフトウェアと言う意味のフリー

ソフト以外の場合はフリーコンテンツとでも言えばいいでしょうか。価格と同時にフリーと記載があれば、それは著作権がフリーだという意味に取れると思います。これはダウンロードにお金を払うわけであり、著作権は既にフリーの状態であると考えられます。つまり著作権者に払うというより提供してくれるシステムに払うわけです。

更に言えばもともと著作権がフリーでないものは購入したとしても著作権を買えるわけではありません。殆どの場合、規約で許可された用法で使用できる権限に留まります。当然再配布なども(明言されていなければ)不可能です。購入したフォトショップをいじって販売、なんて許されるわけ無いですよね。

商業利用でコンテンツごとのよくあるパターン

イラスト、クリップアート、Photshop等の素材

素材サイトは大概著作権フリーですが、個人の素材はリンクが必要だったり著作権表示が必要だったり商用不可だったりしますね。クオリティの高いものを求めるならロイヤリティフリーと書かれた素材サイトでの購入をオススメします。小さいものなら無料でも探せます。

写真

最近は素材サイトも充実してきたのでそれなりに無料素材には困らないんじゃないかと思います。無料素材サイトやFlickrなどでCCの画像を探したりするといいと思います。

ソースコード

役に立つJavaScriptやソースコードが無償で提供されているので利用させていただきましょう。MIT等のライセンスだけよく確認しましょう。

フォント

PCにプリインストールのものでさえ商用不可だったりするのでなにげに権利関係が一番難しいです。会社等だと誰がインストールしたかわからない、なんてこともありそうなのでなるべくフォント管理ツールなどで管理することをお勧めします。

フリーフォントの本についているフォントはお金がフリーなだけであって著作権フリーではないことも多いです。どちらかと言えばネットで手に入る商用可能なフリーフォントを使い、それ以上はもう割りきって必要なフォントを購入してしまったほうがいいでしょう。やはり売っているフォントは凄いのも多いです。

テキスト

著作権切れのテキストなんてのもあります。古典や著作者没後の作品などですね。何か利用する機会があれば覗いてみてください。

国内の作品メイン

青空文庫 Aozora Bunko

有志により翻訳された作品

Project Sugita Genpaku

Flash、スライド、動画

基本的にwebにあるものは見るだけだと思いますが、たまにCCの表記があるものもあります。自サイトで紹介するということもありでしょうね。

最後に

長くなりましたが、これでweb上の著作物の利用についてとりあえず知っておけばいいことはひと通りまとめられたんじゃないかと思います。「これが抜けてない?」というようなこともあるかも知れませんので教えてほしいことは教えて欲しいですけど、多分webcre8の中で優先順位が低いからスルーしただけのことかも知れませんw

次の記事はこの続きにならないと思いますが、来月中に後半の提供者側編もやりますので、期待してお待ちくださいませ☆

あとまたしてもこの記事を書くときに@kojika17さんにお世話になりました☆彼は守備範囲広すぎます…w