[クリエイティブ]「良いコンテンツ」と言われるものが持っているモノ
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良いコンテンツを作ろう!
結論から言うと良いコンテンツとは、ユーザーが何かの目的の為に、ポジティブな意識でそのコンテンツのことをより長く考えたり、使ったりして関わってくれるものであると思います。
最近はSEOの世界でも「もっとも良いSEOは良いコンテンツを作ることだ」と言われ、企業の取り組みとしてもコンテンツ・マーケティングというものが注目されています。
そして基本的に良いコンテンツは、面白いものか役に立つものか、その両方です。
これは過去記事[クリエイティブ]私が意識している、無難かつ人の興味を惹き効果を最大化するコンテンツ制作のヒント – WEBCRE8.jpでも述べましたが、流行るコンテンツは大抵こうした複数の魅力を備えています。
同じ時間やタイミングで使われるコンテンツに勝つ
WEBCRE8.jpは技術系のブログですが、同時に制作自体を楽しんでもらう、ブログを読むこと自体も楽しんでもらう事を目的としています。このブログというものを、皆さんは意識的に「ブログを読もう」と考えて読んでいるでしょうか?
スキマ時間の奪い合い
最近はスマートフォンが流行りPCに近い環境でwebにアクセスできるため、移動中にスマートフォンでブログが読まれたり動画サイトが観られることが増えました。
このとき、ライバルとなるようなブログとPV争いが繰り広げられるのはもちろんですが、それ以外にも「通勤中の時間を何をして過ごすか」というブログ自体と他ジャンルとの戦いも同時に行われています。
ブログのライバル
その意味で、ブログというものはアプリやゲーム、本や電子書籍がライバルになってきます。
私は元々自分で作りたい位ゲームが大好きでしたが、最近移動中の空き時間にはブログを読みます。…と考えている以上、この場合では9割5分、面白いゲームは面白いブログに勝てません。そんな人はそう多くはないでしょうが、そういう人全体の人数が増えることでブログの読者は増えるでしょう。
ユーザーの心に理由を作る
上記のように私の中でゲームにブログが勝つ理由は、ブログが役に立ち、かつ面白いからです。役に立つだけでいいなら私はゲームをするかわりにブログでなく、仕様書や辞書を読んでいるでしょう(そういう時もありますけど)。
そして、もしゲームが面白いだけでなく役に立つ内容であれば…私は自分の気持ちにちょっとだけ言い訳し、役に立つゲームをするかもしれません。こうしてゲームが他のジャンルに費やされる筈の時間を奪ったりすることがあります。
これは逆も然りで、人は同じ勉強なら楽しんで出来る方を取ります。マンガで覚える○○というようなコンテンツはその最たるものですね。
まあ私の場合は制作自体が趣味や娯楽も兼ねているので、知識欲を満たしてくれるブログが面白くなってしまって、それで済んじゃってると(ブログがゲームをする時間を奪っている)いう側面もありますw
ユーザーが割に合うと感じる消費をさせる
ではゲームであってもブログであっても、「単に長い時間ユーザーを滞在させることが良いのか」と言うとまあそうではないですよね。
かったるいレベル上げ、探しても探しても見つからないレシピ…ゲームでも趣味でも、価値を感じないことに時間をかけたくはないわけです。が、ルーチンワークが好まれる場合や、探すということ自体が楽しめるという場合もあります。
消費させる時間の最適化
例えば家庭用ゲームの場合はどっかりと腰を据えて遊ばれる為レベル上げというフェイズが成り立ちました。費やした時間に娯楽としてのボリュームを感じ、浪費とは考えにくいです。
これを携帯で流行している課金ゲーム等でやると、短い時間を潰すためにやっているのに作業でゲームが進まず、ストレスが溜まります。移動中消費するには適さない消費になるわけです。
その為携帯ゲームの場合は体力がなくなる等してあえてゲームに拘束する時間を放棄し、体力が回復するまでの時間によってユーザーの気持ちだけを繋いでいます。
ゲームの進行もサクサク進みます。これが家庭用ゲームでそんなにどんどん進んでも味気ないですよね。
ブログにも同じことが言えます。急を要するトラブルシューティングなどは要点をまとめ短めに、読み物や学習のためなら丁寧に描写や解説を加えることが相応しいという事になります。よね?
時間がない時とある時の時間の価値は同じではないわけです(少なくとも当人にとっては)。
妥当な消費だと感じること
読んで(遊んで、買って)しまってから「無駄だったな」と思われてしまうのは長期的に見てすごく良くないですよね…。
お金や時間は人から楽しませてもらいたいと思えばどうしてもかかってしまう訳ですが、その代償が割に合っていると感じるかどうかは人によるのでなんとも言えないです。
ただしこの相場感とでもいうようなものはそれぞれの頭の中でジャンル毎に作られ、ひとたび特定のジャンルにハマってしまうと他のジャンルと比べられることはあまりありません。携帯課金ゲームをやりだすと、それが割に合っているかどうかはその世界の中でしか考えられないわけです。
皆さんも食事にはお金をかけられなくてもメイク用品になら平気だったり、家賃を安く済ませてもガジェットにお金をかけるというような経験があるのではないでしょうか(サッパリ足を洗ったときに「無駄なお金を使っていた」なんて思ってしまう人は、なんでも一緒だったりしますw)
適正なお金や時間を使わせているかを考える場合は代替となるコンテンツの費用対効果を考えればいいのでしょうけど、新しいものの適正価格なんて判断できないですからね…。
広告だって楽しめる
広告って嫌われますよね…。私は昔から無駄なことやつまらないことも、その中から面白いことを探す性格だったためかあまりストレスを感じることがないのですが、大抵の人はそうではないと一応わかっています。
広告は、サービスやプロダクトを紹介するという役割しか持っていなければ(それに興味がない限り)つまらないものです。ただそこにインタラクティブ性やストーリー性を加えたりすれば、面白いことによって別の有益さが生まれます。そういうものを好意的に受け取ってくれるユーザーはコンテンツの成果にもつながりやすい筈です。
私たちクリエイティブに携わる者は他にも、その広告自体の完成度によって興味を持ったりしますよね。
こうした付加価値によっては、望む種類のユーザーに絞って目を引くことも出来るわけです。
ただモノを売るだけでなく、楽しませて売る。学ばせながら売る。これが広告のあるべき姿なのかもしれません。
私はCMフェスティバルとか結構好きだったんですけど、最近そういうのってあるんですかね…?
プラットフォーム・伝え方の問題
さて、上記のような良さを備えたコンテンツも、それが使われる実際の局面や、搭載されるデバイス、プラットフォーム、インターフェースの質や性能によって、重い、遅い、待たされる、使いづらい等の不満を生んでしまいます。
アイディアは良かったとしても、使い方が分からなくてその魅力を存分に発揮できないというのはもったいないですよね。役に立つ、面白いコンテンツをコンテンツを活かすのは使いやすくわかりやすいインターフェースです。
…デザイナーやエンジニアの出番ですね!w
終わりに
今回はちょっと話が拡がり過ぎたでしょうかw
私はこうしてブログを書いていますが、一応未熟ながらデザイナーでありディレクターでもあります。自分のアイディアを形にする手段としてデザインを日夜学び、考えたりしています。
デザインはコンテンツの本質的な良さとは関わりがありません。ですが、それでもそのアイディアを分かりやすく伝えたり、体験を上質なものにしてくれたり、コンテンツを使い続けたいと思う愛着を生んでくれるものと考えています。それは装飾であり、設計であり、コンテンツを単なるモノからお気に入りにしてくれるのです。
だから私はデザインが好きです…!
まあ、デザインを語るほど大したレベルではないのですけど、この気持ちを使う側としてだけではなく作る側として、どんどん反映させていきたいですねー!★