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[クリエイティブ]私が意識している、無難かつ人の興味を惹き効果を最大化するコンテンツ制作のヒント

この記事は約17分ぐらいで読めます

webと忍者
制作をしていて私が常に念頭に置いていることです。で、制作だけじゃなくこれってもしかして何にでも言えるんじゃないかなーと思ったのでちょっと記事にしてみました。

なんか多分携わっている業界によっては何を今更~みたいなリアクションはまああるでしょうけど、せっかくなので言葉にしてみます。

大きなフックと小さなフックを意識して作る

無難に人の興味を引き効果を最大化するものの作り方とは、大きなフックと小さなフックを意識して作る、ざっくり言うとこれだけです。

以下はその説明です。

大きなフックは関わる人を増やす

何を作るか、何で商売するか等、最初のとっかかりをつかむ上でも見込み客が多く市場の大きいところで勝負するのはまあ普通ですよね。多くの人が興味を持つであろうものを作る…それは競争率こそ高いものの、自分たちがいいものを作っているのであればいずれそこに打って出る必要があるわけです。

興味を持つ対象の多いものを作った方が拡がりは大きい

興味を持つ対象の多いものを作った方が拡がりは大きい

また、何かを作ったとき、もしくは作ろうとし、仮にそれが実際に役に立つものだったり面白いものだったとします。

それがいいものなら、いいところをどんどんプッシュして行けばいいんですけど…その良さが伝わりにくいものだったりする場合もありますよね。「使えば絶対ハマる!俺たちだってそうだった!」とは思うんですけど、どうも最初の印象でそう思ってもらえない…新しすぎたり、突飛過ぎて、それを使う日常が想像できないんですね。

そういうときに、あえてセールスポイントとは違うキャッチーな言葉を使ってまず興味を持ってもらおうとすることがあります。もちろんそれが本質とは違うものであってはいけないですけどね。

ちなみにこれを無差別なレベルで大きくしてしまうのが(対象を選ばない)広告になります。

小さなフックは強く興味を惹く

メジャーなものや大きく流行っているものは、ユーザーが増えるにつれライトな層の割合が大きくなっていきます。ユーザーの身の回りでもそれがあることが普通になっていき、次第に強い興味を持たれにくくなっていくわけです。

その中で小さなニーズを高いレベルで満たしたり、変わった趣向を打ち出すことは、それを好きな人の強い興味を惹きます

ニッチなものほどそれを好きな人の強い興味を惹きやすい

ニッチなものほどそれを好きな人の強い興味を惹きやすい

スキマ産業なんて言葉もありますし、最初からニッチな分野のシェアを取りに行く、と言うやり方をする場合もありますけど、それも結局はある狭い分野を占める位置を狙う訳です。そしてまたその分野のなかでのニッチが生まれることになります(そんな小さいニッチに取り組む価値があるかどうかはまた別の話ですけど)。

保険と絞り込みと特徴づけ

何かを作る時は、こうした大きなフックと小さなフックと意識することが重要だと思っています。これには保険絞り込み特徴づけという三つの効果があります。

保険

保険には更に大きい保険と小さい保険があります。どちらも、自分が扱うコンテンツのに興味のある相手を増やす効果があります。

大きな保険

例えば「フルーツパフェをどうぞ!」という言葉を見たとき、これを気にするのはフルーツパフェが好きな人だけです。

フルーツパフェをどうぞ!!

フルーツパフェをどうぞ!!

「甘くて美味しいフルーツパフェをどうぞ!!」というように他の情報が加わると、これを気にする人はフルーツパフェを食べたい人だけではなく甘くて美味しいものを食べたい人になります。おそらく今特にフルーツパフェを食べたい!という人よりは単に甘いものを食べたいだけの人の方が多いでしょう。

甘くて美味しいフルーツパフェをどうぞ!!

甘くて美味しいフルーツパフェをどうぞ!!


この場合、売りたいものはフルーツパフェ、つまり小さなフックなわけですけど甘くて美味しいという範囲の広い条件(大きなフック)を持ってくる事で、フルーツパフェに食いつかなかった甘いもの好きがフルーツパフェに興味を持ってくれるように誘導するわけです。

甘いもの好き(マス)をフルーツパフェ(ニッチ)に導く

甘いもの好き(マス)をフルーツパフェ(ニッチ)に導く

自分が作りたいものがニッチなものだった場合はより広い層に受け入れられるような要素が必要だという事です。

小さな保険

反対に、もともと流行しているものや大きな市場で活動している場合でも、そこから更に間口を広げていきたいですよね。そういった場合、本来の対象と関係のないものを合わせて取り扱う事で、そこからメインの方へ興味を導くこともできます

ニッチな取り組みからメインにつなげる

ニッチな取り組みからメインにつなげる

例えば喫茶店でスイーツの写真を絵ハガキにして渡すサービス(小さなフック)を始めたとします。それを知ったお客さんが美しい絵ハガキが欲しくてそのお店に足を運び、結果自社のメインの商品の販売に繋げることが出来るかもしれません。

これは、もちろん小さい労力で採り入れられることであるほど良いですね。この場合だと従業員に元々写真の得意な者がいた、などのきっかけがあったりします。

絞り込み

絞り込みは、二つの要素のどちらもが気になる相手に対して強く興味を惹くことです。

前述の例で言うなら甘くて美味しいフルーツパフェはフルーツパフェが好きな人の興味も甘いものが好きな人の興味も惹きつけますが、甘いものが好きで、その中でもフルーツパフェが特に好きな人の気持ちをさらに強く惹きつけます。多くの相手の中から少なく特定のものに強く興味を持つ相手に訴えかけます。

大きな群の中の小さな群

大きな群の中の小さな群

そしてスイーツ写真という一見無関係の要素の両方に興味を持っている人は、前者よりもさらに強くそれに興味を持ちます。無関係であればあるほど対象は少なくなるでしょうが、その人たちはそれだけ特別な興味を持ってくれるはずです。

大きな群と無関係の小さな群とで共通する群

大きな群と無関係の小さな群とで共通する群

特徴づけ

小さなフックが大きなフックの要素の中に含まれている場合、それは専門性の高さを示す特徴づけになります。前述の例で言うなら「喫茶店で、特にフルーツパフェが美味い」となるわけです。単に喫茶店として覚えられるより印象が強いでしょう。

専門性やキャラクター性のアピール

専門性やキャラクター性のアピール

そして、大きなフックと小さなフックがかけ離れているものであればあるほどそれは変わった印象の特徴付けになります。意外性がキャラクター性を生み、「あそこは面白い取り組みをしている」という印象に繋がったりするわけです。

ブログにおいて

さてこういう話をしていると、それはブログなんかにも言えるんじゃないかなーと思います。と言うか、何にでも。大きなフックと小さなフックを意識する事で何も考えずに作るより他者に印象を残したり好意的に受け入れてもらえるのではないかなと思います。

まあ、そういうあざとい感じを好まない人もいますけどね。私は入れ物の形と中身の良さは切り離して評価するように努力してますけど、人間なのでそうもいかないですし、気持ちも分かりますw

コンセプトとテーマ

ブログで言うなら、コンセプトとテーマなんかに言えますね。

WEBCRE8.jpの場合はwebデザインなので、記事を見てみてもこれらのコンセプト選びに意外性はないですね。ですが、そのブログが話題としてwebデザインに対する強い指向性を持っている(特徴づけ)ことは間違いないとわかるでしょう。

 webとデザイン


webとデザイン

これが例えばweb忍者だとしたらどうでしょう。ヤバいですね。絶対面白い。

webと忍者

webと忍者

これらの例では二つのフックが専門性やキャラクター性を持たせてくれています。

記事のネタ

記事のネタとしてもこれは便利です。二つのフックの関係性から話題を考えることが容易になります。あまりにかけ離れていると結び付け自体が難しくなってくるかもしれませんが、それぞれを別の記事で別々に扱ってしまっても全く問題はありません。webの話題と忍者の話題が読める、それだけで特徴としては十分ですよね!

webと忍者が好きな人なら確実に読むでしょw

webと忍者が好きな人なら確実に読むでしょw

WEBCRE8.jpの単体の記事で言うなら、記事の内容にネタを挟むことがそれに当たります。ジョジョを好きな人がジョジョネタに反応してくれるかもしれない、それによって記事の内容を気にしてくれるかも(小さな保険)、と言う感じです。

ジョジョ好きなら気づいてくれる!

ジョジョ好きなら気づいてくれる!

同時に私自身を「この人webデザイナーでありジョジョ好きなんだな」と認識してくれるかもしれない(特徴づけ)ですし、もしかしたら逆に記事から「このセリフなんだろう?」とジョジョに興味を持ってくれるかも(記事自体が大きな保険)しれませんね!

ネーミング

ブログに限らないですけど、ネーミングは重要ですね。webサービス、アプリ、または本や小説にだって通じます。ネーミングだけでも記事が一つ書けるのでこれ以上はまた別の機会に。ざっくりと紹介します。

これらは大きなフックをメインの読者層に向けた上でネタ帳ボックスレシピ等のユニークにする為の言葉を足していますが、言葉自体は一般名詞であり、他の要素を採り入れていません。ブログのコンテンツを示し、かつその中での話題を狭めず、余計な要素を加えずに名前だけをユニークにしているわけです。

バンクーバーのうぇぶ屋

うぇぶ屋というwebの話題への専門性を示したうえでバンクーバーという特徴を持たせています。話題がweb制作であるためバンクーバーは小さなフックとなりますね。このブログを運営しているセナさん(@WebyaInVan)は海外で働きたい人へのアドバイスを発信していることからも、この二つのフックを意識的に活用していると思います。

まあ、ブログは企業や個人発信のものであるためあまり関係のない二つのワードをタイトルにまで持ってくることは少ない(名前が多いですよね)ですが…こうしたことを意識していると感じるサイトやサービスは他にもあります。もちろん考えなくても流行るもんは流行りますけど

制作物において

前項までは主にネーミングやコピーライティングを中心に説明しましたが、これは当然コンテンツの内容自体やビジュアルに置いても力を発揮します。

プロダクト

プロダクトにおいては付加価値をつけることがフックになる可能性があります。他機能にすれば、ちょうどユーザーのかゆい所に手が届く可能性がありますね。

ただ、特にプロダクトにおいては用途やターゲットへの純度が強く求められるようなイメージが強いです。

例を挙げるならば、私の作ったHTML5KARUTAは学習というメイン要素にゲームであるということがフックになっています。

ゲームにすることで保険と絞り込みをしているHTML5KARUTA

ゲームにすることで保険と絞り込みをしているHTML5KARUTA

アーティスト活動

例えばあるバンドがその人たちらしからぬ楽曲を発表したとします。

有名なバンドであれば(そうでなかったとしても、ファンは当然それまでの彼らに強く固定概念を持っています)、受け手は既に「これから聴く曲は好きなバンドの曲である」という大きなフックにかかっています。そこから思いもよらぬ曲が流れてきた場合、良くも悪くもその曲は強いインパクトを与えるでしょう。

X-Cross-
X-Cross-
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石川さゆり 石川さゆり×岸田繁(くるり) 石川さゆり×宮沢和史(THE BOOM) 石川さゆり×奥田民生 石川さゆり×未知瑠 石川さゆり×山崎ハコ 石川さゆり×斎藤ネコ・谷山浩子
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石川さゆりのCDX-Cross-は演歌歌手による有名アーティストのカバーアルバムであり、ジャケットを件のジョジョの作者、荒木飛呂彦が手がけています。これはこのCDのメイン購買層にとっては小さなフックに過ぎないかもしれないですが、向ける相手によってはどっちが大きいのかわからないですねw

実際私が人に説明するとしたら「ジョジョの人がジャケットを書いた~」と説明しそうですし。良いか悪いかは別として、存在が大きい二つのフックを合わせると、やはり印象は人によって分かれてしまいますよね。

脇役俳優・カメオ出演

ある演技派の、有名とは言い難い俳優を使いたいとして、その人を主役にする必要はありません。画面にチラッと現れるだけでもその人は存在感を発揮し、ときに主役を食います。流行っている原作や主人公で大きなフックを用意し、映画ファンを脇で納得させる。カメオ出演でも納得できますよね。

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シルベスター・スタローン主演、監督の映画エクスペンダブルズは私の大好きな作品ですが、これは出演者、内容、時期、主題歌とフックの全てが刺さった感じです(私にとって一ミリの悪い要素もありません)。

コミュニケーションにおいて

コミュニケーションでもフックが活躍します。

話題

相手がよく知らない話しを急にしても相手は興味を持ってくれません。その場合はそのジャンルについての大きな話題を先に持ってくるといったような話し方をしたりします。

IT系でない友人に自分の仕事を説明するとき「webデザイナーです」と名乗ってもあまりわかってもらえませんが、「mixiとかああいうパソコンとかスマホで見るwebサイトを作る人です」と説明すれば、漠然としてはいてもどんなことの役に立つ仕事をしているのかは伝わる筈です(厳密に言うとこれでは大きく伝わってしまい誤解を生みそうですが、仕事のやりとりをするのでもなければそれでも事足りるでしょう)。

趣味のアピール

例えばマニアックな趣味を持っていたとしてそれを前面に押し出してしまうと頭から理解してもらえないでしょう。ですが例えば携帯のカバーやかばんにつけた飾り、持ち物などで知っている人にだけそれをアピールする事は出来ます。わからない相手に強い主張をする意味はありません、さりげなくでいいのです。

外見的にはそれが好きそうに見えないのにそれを持っていると言う事は強い絞り込みと特徴づけになります。同好の士とすぐに仲良くなれるかもしれませんね!

なぜ大小のフックなのか

こうした考え方を役立てるには、まず自分が取り扱っているものがその分野において大なのか小なのかを認識している必要がありますね。大であるものを扱っている人が更に大きなものを合わせて扱うと、それを扱っていく労力は倍になってしまい、特徴も分散します

自分が扱っているものが小なのに更に小さなものを採り入れてしまうと、それぞれの小さな分野での興味を維持するのにノウハウが違ってしまった上に、それに見合った対価は得られないと思います。更に、それぞれが小さいので相乗効果もなく、分野同士が重なり合う可能性も低いです。

まあ、わかる人にとっては強烈な個性にはなるのかも知れませんが…そもそも人は知らないことの塊には興味を持たないのが普通です。

終わりに

私は意識的、無意識に関わらず、後から見てみるとこういった仕込みを加えたものを作っていることが多いです。そして、上手くいかない企画やアイディアはたいていこの辺りが詰めきれてないのではないかと考えています。

タイトルに無難と書きましたが、もちろんこれはある種のスケベ心とも言え、不純なアプローチだと感じることもあります。

純粋にそのもののただひとつの魅力で認められるものだってありますよね。純粋な制作物は美しく、その意味でこのヒントは所詮であって、黄金のルールではないと思います。

ただとても良く出来た企画はそういう気配りや計算が行き届いていて、無駄がないなと感じることもやはり多いです。

そして同時に、無駄の多い荒削りなものも好きだったりする自分もいます…★ まあそういうのは本当に些細なニーズですw(こういうニーズに応えるのもある種小さなフックとして機能はしますけど)

何が功を奏するかはわかりませんが、仕事でやる、作ること自体以外に何かしらの目的を持って取り組む以上は、そこまでを計算するあざとさ、計画性は持っていても損はないなーと思います!

よくあるのは主導者自身は純粋に一つのものを作り、影のブレーンが計算してフックを作るってパティーンだと思いますw